David Foster Malinglist から誕生した、幻のAORコピーバンド(爆)、元AFB(April Fool Band/AOR Freak Band)の中心メンバーの塩見 暁俊(Vo,G,B,Key)、田島 謙一(G,Cho,Prog)がAFB解散後の1996年に結成したオリジナルAORユニット。AORが大好きな二人がシーケンサーとMTRを使って作曲・録音活動を続けています。塩見のボーカルと田島のギターをフューチャーしたセンチメンタルなAORサウンドを目指しています。曲のサウンドファイルも用意したので是非聞いてみてくださいね。


たくさんの感想を頂いております。

In The Air/In The Air

In The Air / In The Air
Akitoshi Shiomi&Ken'ichiTajima

1. Love Don't Hurt You
2. Melody
3. Time To Rise
4. It Was The Night
5. Smile
6. Never Look Down
7. I Saw You
8. Words Of Love

Performe:
Akitoshi Shiomi & Ken'ichi Tajima
Compose :
Akitoshi Shiomi,Ken'ihi Tajima
Programing : Kenichi Tajima


In The Air − 彼らは、音楽を楽しむ事の本当の意味を私に教えてくれた。

私がはじめて In The Airの曲と出会ったのは、今年(99年)の4月初旬に原宿のクロコダイルで行われたescadrille というバンドのライブにおいてであった。  DAVID FOSTERファンのMLのメンバーで組んだAOR・ブラコンのコピーバンドで知り合ったという二人、田島謙一(ギター)と塩見暁俊(ヴォーカル、ギター)が 、In The Air として活動を始めたのが95年。その頃からML内の仲間に公開する形で、半年に1〜2曲の割合で曲を作って録音し、97年からは escadrille のライブでも彼らの曲を演奏しているそうだ。私はそのMLを途中で抜けてしまい、彼らの活動を具体的には全く知らなかったため、(本人達には失礼な話かもしれないが)実はライブを観に行ったのも、半ば仲間内の付き合いという気持ちであり、所詮は素人の戯れ言と頭から決め付けていたのである。

のっけから、今まで全く聴いた事のない英語詞の曲を3曲ほど、立て続けに演奏。どれも完成度が高く、いい雰囲気の曲であったのにも関わらず、それらの曲の存在を知らなかった私は、全く別の意味で不満を感じてしまった。自称AOR通をきどっても、所詮は井の中の蛙。こんないい曲を今まで知らずにいたなんて、ちょっとくやしい。一体誰のコピーをしているのだろう。そう思い込んでいた私は、演奏後の塩見のMCを聞いて、更に驚かされてしまった。なんと私の心を揺り動かしたそれらの楽曲は、すべて彼らのオリジナルだったのである。すっかり感激した私はライブの後、思わず2人に詰め寄って、これは絶対にCDを制作すべきだと切願したのだが、その願いが半年も経たずして見事叶い、今このCD−Rが私の手元にある。(悦)

 

ユニット名と同名のアルバム 『In The Air』

真夏の青い空の下、どこまでもどこまでもまっすぐに続く道。そんなCDジャケットに、オープニングは寄せては返す波の音。正に気分はは80年代のあの日あの時。私の心だけがタイムマシンに乗せられて懐かしい季節に舞い戻ったかの様

<LOVE DON'T HURT YOU>
波の音から一転して、田島のグレイドン張りのギターソロではじまるオープニング・チューンは、ライブでも演奏されたエモーショナルなナンバー。塩見の甘いヴォーカルに絡み付く田島の後半のソロもかなりセクシー。二人が出会って、はじめて共同で作った記念すべき1曲でもあるとの事

<MELODY>
2人の作曲能力の高さを窺い知る事ができる1曲。塩見の伸びやかなトーンとファルセットが魅力的な1曲。これを何の予備知識も無しに聞かされた人は、必ずや古き良き時代のスタンダードだと錯覚を起こす事であろう。

<TIME TO RISE> 
このアルバムでは異色のブルージーなフィーリングを持った佳曲。スティーリー・ダンを彷彿とさせるベースラインに、後半の塩見のフェィクと田島のソロの掛け合いがライブのノリを味わえる。特にラリー・カールトンが乗り移ったかの様な、田島のソロに注目

<IT WAS THE NIGHT>
一見、淡々と流れていく渋めのミディアムの様でありながら、巧みにそして滑らかに転調していくメロディはお見事で、なにげない所にセンシティブで高い技術力を垣間見ることが出来る。抑えた曲調の中に、反って熱い何かを感じさせてくれるナンバー

<SMILE>
この曲を聞きながら、炎天下の134号線をオープンカーで飛ばしてみたくなる、そんな夏の海の香りが伝わってきそうな爽やかなAOR。唄うようなツインリードのギターも何故か涼しげに思えてしまう。
ライブではじめてこの曲を聴いた時の爽快感は、ここでも見事に再現されている。

<NEVER LOOK DOWN> 
これまたドライビング・ミュージックに最適。軽快なテンポのポップなナンバー。彼らのツボを抑えたメロディー・ラインは見事としか言い様がない。ここでも田島が艶のあるソロを披露しているが、彼は本
当にいいメロディーを弾く、華のあるギタリストだ。

<I SAW YOU> 
ブリッジの転調部分や、ヴォーカルとギターの掛け合いもいい感じで仕上がっており、本人達も一番の力作と語る完成度の高い1曲。シーウィンドっぽいブラスセクションのアレンジや、フォスター風の3連
のリズムも実に魅力的で、キャッチーなAORに仕上がっている。

<WORDS OF LOVE> 
ラストには、夏の終わりを思わせるかの様な、しっとりしたバラードを持ってくるあたりが何とも心にくい。塩見のヴォーカルにひとときの安らぎすら感じてしまう。そして再び、寄せては返す波の音でこのアルバムはおしまい。

アマチュアが自らの音楽を表現して楽しもうとする場合、何をしたいのかが不明確で、それが聞き手に届かない場合が往々にしてありがちだ。こちら側としても、まあそこは素人なんだから仕方がないだろうと、ご愛敬で済ませてしまうしかないのだが、 ことIn The Air の2人に関しては、聞き手に何を伝えたいかというコンセプトが極めて明確であり、その潔さは我々に何ともいえない心地好さを提供してくれる。

一時期、一世を風靡しながら、現在はインディーズでのアルバムリリースという状況に甘んじてしまっているアーティスト達についても同様の事が言えるが、メジャー作品で無いからといって、最初から色眼鏡を掛けてしまう自分自身の愚かさを今後は反省していきたい。プロ、アマの垣根を超えて、本気になって音楽を楽しむことの素晴らしさを教えてくれた In The Air 。彼らこそ、インターネットという、新しい自己表現の場において、本当に評価されるべき存在なのである。

CRUISIN' MUSIC/小野 "k1ono"敬一 http://www.threeweb.ad.jp/~k1ono/index.htm